3年前の3月20日。この日は福岡で西方沖地震が発生した日です。私は福岡にいて、生まれて初めて大きな地震というものを経験しました。それまでは地震はあっても他の地域のこと、と考えていた部分もあり、学生時代の防災訓練などは真剣に行っていませんでした。そのため、いざ本当に大きな地震が起こったとき、まったく身動きが取れませんでした。このときになって初めて防災に対する自分の意識の低さを思い知り、「備えあれば憂いなし」という言葉の意味を体感することになりました。
それからしばらく余震が続き、避難路の確認や防災グッズの常備などに気を配り、自分なりの防災意識を高めてきたつもりでいました。しかし3年が経った今、その意識はすでに頭の片隅に追いやられ、ニュースで見なければ、3月20日に西方沖地震が起こったことすらも忘れてしまっていました。
もし、今の時点で地震に遭遇したら、私はまた3年前と同じく、一歩も動くことができないでしょう。それでは、あの3年前の経験を何も活かせていないことになります。当時の映像を見て、自分の経験を思い出すことで、あのときの心構えをもう一度、自分の心の中に据え直そうと感じました。(250)