わび、さびといった日本文化の中で、桜だけは特別だ。満開の桜は、ひときわ華やかな風景を描き出す。ここ数日、近くの公園でライトアップされた夜桜を眺めながら帰宅している。ライトアップされた夜桜の幻想的な空気の中で、ちょっと“宇宙旅行”にでも行ったような気分に浸るひと時だ。
さて、夏に教員採用試験を控えているみなさんは、そんな呑気なことも言ってはいられないのかも知れません。試験本番まで3ヶ月余、焦る気持ちはわかりますが、ここは忙中閑有・・・敢えて、じっくりと腰を落ち着けたい。
まず第一に、ゴールイメージとそこに至る轍(わだち)をイメージしよう。合格したら、自分はどんな教員になっているのか、子ども達のために何ができるのか、合格したとき真っ先に誰に報告するのか・・・そんなことを思い浮かべながら、きっと勉強を始めたらこんなことで行き詰まるだろうとか、行き詰まったときはこんな方法でスランプから抜け出そうとか、これから夏までのイメージをしっかりと焼き付けておこう。ばかばかしいと思うかもしれませんが、このイメージトレーニングは大切です。
次に、学習計画づくりを始めよう。学習計画づくりのポイントは、アロワンス〔allowance〕です。どこかに、アソビ(ゆとり)の部分を入れておくこと。計画通りにいかないというのが計画ですから、どこかで軌道修正したり取り戻せるように、アソビ(ゆとり)の部分を入れておくのです。
そして第三に、学習(生活)リズムとチューニング(調律)です。学習リズムというと、どうしてもガチガチの1日の生活スタイルを思い浮かべてしまいます。もちろん、勉強の時間帯を決めることは大切なことなのですが、それと併せて重視したいのが、リズミカルな学習のスタイルです。まるでオーケストラの演奏が最終幕に向けて最高潮の盛り上がりを形成するように、日々のリズミカルな生活を繰り返しながら、自分の気持ちを盛り上げていくのです。
さてさて、説教じみた話になってしまって恐縮です。話を戻しましょう。幻想的な夜桜を見ながら、来春、正教員として始業式や入学式に向かう自分を想像してみる・・・この時期、そんな時間をつくってみてはどうでしょう。
(A.T.)